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日本語教員試験「経過措置」で文科省が見解

日本語教員試験「経過措置」で文科省が見解

~日本語教育能力検定のR6年度以降合格者は対象外~

(留学生新聞ニュース 2024.9.13号より転載)

 

日本語教育機関認定法に基づき11月17日に初めて実施される令和6年度日本語教員試験は、9月6日に出願が締め切られた。試験の実施にあたっては新制度への移行を円滑にするため、資格取得のための経過措置が設けられたが、同措置の対象者について文部科学省が改めて見解を示した。

 

日本語教員の国家資格となる「登録日本語教員」を取得するためには通常、「基礎試験」と「応用試験」に合格し、登録実践研修機関が実施する「実践研修」を修了する必要がある。ただ平成31年4月1日から令和11年3月31日までの間に所定の日本語教育機関で日本語教員として1年以上勤務した現職教員は、修了した日本語教育課程の内容や民間試験の合格結果により、一部の試験や研修が免除される扱いとなっている。

 

この内、民間試験については、「日本語教育能力検定試験」の合格者が対象で、日本語教員試験の基礎試験、応用試験、実践研修が全て免除となる(経過措置Eルート)。ただ、昭和62年4月1日から平成15年3月31日の間に実施された「日本語教育能力検定試験」の合格者は別途、講習ⅠとⅡを、また平成15年4月1日から令和6年3月31日(令和5年度試験)の間の同合格者は講習Ⅱをそれぞれ受講し、修了認定を得る必要がある。

 

上記に関連して文科省は、今年度(令和6年度)以降に実施される「日本語教育能力検定試験」に合格した場合、「登録日本語教員」の資格取得に関する経過措置の対象とはならないとする見解を改めて示した。同様に法務省告示の日本語教育機関や認定日本語教育機関の教員要件に係る経過措置においても、対象とされているのは令和5年度試験までとなっており、同6年度以降に実施の「日本語教育能力検定試験」に合格したとしても、これら機関で日本語教育を行えることにはならないとした。

 

なお「登録日本語教員」の資格取得に関する経過措置では、上記Eルートの他にも、例えば「必須の50項目」に対応した養成課程修了者に対し適用されるCルートなどいくつかのパターンがあるが、文科省は仮に受験者が複数のルートに該当する場合でもいずれか一つの適用ルートを選択する必要があるため、試験と実践研修、講習の全てが免除されることはないとしている。